民泊投資に挑戦!利回りからメリット・デメリット・物件の選び方まで徹底解説
「安定した不労所得がほしい」とお考えなら、民泊投資に目を向けてみてはいかがでしょうか。
今回は、民泊投資にフォーカスし、その概要や利回り、メリット・デメリットなどについてご紹介します。あわせて、民泊投資を成功へと導く方法も解説しているので、ぜひご覧ください。
目次
高利回りが魅力?!「民泊投資」とは
民泊投資とは、アパートやマンションの空室、または一軒家を民泊施設として貸し出すことで収益を得る、不動産投資のひとつです。詳しくは後述しますが、観光振興や地方創生、空き家対策の一環として注目を集めていることから、数ある不動産投資の中でも民泊投資は高利回りを実現しやすいといわれています。そのため、投資初心者の方も始めやすいといえるでしょう。
一般的な不動産投資との違い
民泊投資と一般的な不動産投資とでは「収入源」に違いがあります。
民泊投資の主な収入源は、宿泊客が支払う「宿泊料金」です。これに対し、一般的な不動産投資の収入源は、購入した不動産を高値で売ることによって得る「売却益」、もしくは購入した不動産を貸し出すことで得る「家賃」です。不動産を活用した投資という点では共通していますが、収入源は相違しているため、混同しないよう注意しましょう。
なお、民泊投資の収入源が「家賃」になるケースもあります。それは、自ら購入した不動産を民泊経営希望者に貸し出した場合です。どのような方法で民泊投資をするかで収入源も変わってくるので、あらかじめ確認するようにしましょう。
この他、民泊投資は「宿泊前提の運営」であるのに対し、一般的な不動産投資は「居住前提の運営」であることも相違点のひとつです。
コロナ禍における民泊投資
新型コロナウイルス感染症の影響により、世界的に行動の自粛が求められたことで、民泊の需要は大幅に落ち込みました。この背景から、民泊投資に終止符を打った人も少なくありません。現に観光庁が実施したアンケート調査では、コロナ禍による稼働率の低下や厳しい営業規制を理由に、民泊施設の18.8%が事業撤退を決定、もしくは検討しているとの結果が出ています。
しかし、2022年6月現在、新型コロナウイルス感染症の勢いはピーク時ほどではありません。世界的にワクチンの接種が普及したことで、収束に向かいつつあるのです。実際に2022年6月10日、日本では外国人観光客の受け入れを本格的に再開しました。
そのため、もしこのままコロナ禍を脱することができれば、再び大勢の観光客が訪れるようになり、民泊の需要が再燃する可能性があります。また民泊施設が減少傾向にある今、民泊投資を始めれば、観光客が増えてきたタイミングで宿泊料金の相場が上がる可能性も考えられます。
これらの点から民泊投資に関しては、コロナ禍を何とか乗り越え、収束後のインバウンド需要の回復を期待することも一案といえるでしょう。
ただし、同時に「新型コロナウイルス感染症による影響が長引いた場合の対処法」も考えておかなければなりません。例えば、これまで民泊投資だけに注力していたのであれば、リスクを回避するために株式やFXなど、他の投資にも取り組むのがおすすめです。一点集中型から分散型にスタイルを変えることで、万が一の事態を回避しやすくなります。
参照:
住宅宿泊事業の実態調査|観光庁
外国人観光客受け入れ再開へ|自民党
主に3つのパターンがある!民泊投資の種類
民泊投資と一言でいっても、その種類はさまざまです。
1.オーナーとして自ら民泊サービスを提供する
まず挙げられるのは、所有している不動産または新たに購入した不動産にて、自らがオーナーとなって民泊サービスを提供するケースです。新たに不動産を購入する場合は初期費用がかかりますが、売上は全て自らの収益になるため、順調に経営できれば結果的に得るものが大きくなるでしょう。
ただし、不動産を管理したり宿泊客の対応をしたりと、自分ですべきことが多いという一面もあります。そのため、この種類を選ぶ場合は不動産所有者として必要な知識を身につける、そして民泊における接客の基礎を習得するなど、事前準備をしっかり行うことが大切です。
2.オーナーとして他者に物件を貸し出す
所有している不動産または新たに購入した不動産をオーナーとして他者に貸し出し、民泊サービスを提供するケースもあります。この場合、収入源は家賃となるため、民泊施設としての稼働状況を問わず安定した収益を得られます。
また、不動産に「民泊経営の許可が下りている」という付加価値がついているため、通常の賃貸物件よりも高値で貸し出せる場合が多く、その点も魅力のひとつです。
ただし、必ずしも借り手がつくとは限りません。このケースの場合、不動産を借りてもらって初めて収益を得られるため、まずは信頼できる借り手を探すことから始める必要があります。
3.物件を借りて民泊サービスを提供する
この他、不動産を所有しているオーナーから物件を借りて、民泊サービスを提供するケースもあります。この場合、自ら不動産を購入する必要がないため、初期費用を大幅に抑えることができます。また、民泊施設としての稼働率を高められれば収益をグッと増やすことも可能です。
さらに、民泊経営の代行業者を活用すれば、自ら管理する手間も省くことができます。「何をどう管理すればよいか分からない」という初心者の方には、特におすすめです。
ただし、毎月一定の家賃を支払わなければならず、経営が不調だと収益を満足に得られない可能性があるため、その点は理解しておきましょう。
一般的な不動産投資よりも高いってホント?民泊投資の利回り
利回りとは、投資した金額に対する見込み収益の割合のことです。不動産投資においては、主に「表面利回り」と「実質利回り」の2種類があります。前者は「物件価格に対して、どれほどの家賃収入を得られるか」を表す数値、そして後者は「年間の経費を考慮した上で、物件価格に対してどれほどの家賃収入を得られるか」を表す数値です。
民泊投資の実質利回りは、一般的な不動産投資の実質利回りよりも高いといわれています。
一般的な不動産投資の利回り
一般的な不動産投資(不動産を購入して貸し出す)の実質利回りは、大体4〜6%といわれています。もちろん、利回りは不動産の条件によって変わるため一概にはいえず、あくまでも目安です。
なお、4〜6%の場合、初期投資にかかった費用を回収するのに20年前後はかかる計算になります。
民泊投資の利回り
民泊投資の実質利回りは、一般的な不動産投資の実質利回りのおよそ2〜3倍といわれています。もちろん、民泊投資の場合も条件によって利回りは変わるため、あくまでも目安です。
ただし、民泊投資を行えば必ずしも一般的な不動産投資を行ったとき以上の収益を得られる、とは限りません。そのため、経済環境や市場動向をよく見極めた上で、自分に合った投資はどれなのか、よく考えた上で取り組むことが大切です。
押さえておこう!民泊投資のメリット・デメリット
では、民泊投資に取り組むことには、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
民泊投資のメリット
民泊投資のメリットには、まず「収益性が高い」という点が挙げられます。
繰り返しになりますが、民泊投資と一般的な不動産投資とでは、民泊投資のほうが実質利回りが高いといわれています。また民泊投資の場合、収入源となる宿泊料金を自分で自由に設定できます。これらの点から、民泊施設の稼働率が高ければ、同じ不動産を貸し出す場合に比べて、より多くの収益を得られると考えられます。
この他、「物件の取り壊しやリノベーションを容易に行える」という点もメリットのひとつです。
一般的な不動産投資の場合、借り手と年単位の賃貸借契約を締結します。そのため、もし契約期間中に取り壊しやリノベーションを行うとなれば、退去の交渉をしたり立退料を支払ったりしなければなりません。
その点、民泊の場合は賃貸借契約を締結することがないので、比較的容易に物件に手を加えることができます。ただし、アパートやマンションなら一棟、または一軒家を所有しており、かつ全ての部屋を民泊施設とする場合に限ります。
民泊投資のデメリット
民泊投資のデメリットには、まず「収益を得るまでに時間がかかる」という点が挙げられます。
民泊を始める場合、物件を選んだり家具・家電を用意したり、物件の所在地を管轄する都道府県知事に届け出たりと、さまざまな準備が必要になります。
そのため、営業開始までに最短でも2か月程度はかかるといわれています。人によっては、倍の4か月が経っても営業できないこともあるようです。そのため、民泊投資ですぐに収益を得るのは困難といえるでしょう。
このデメリットを回避し、なるべく早く収益を得るには、あらかじめ計画を立てて無駄なく準備を進めることが大切です。いつ何をするのか、細かく決めておきましょう。
この他、デメリットには「近隣住民とのトラブルが起こる可能性がある」という点もあります。
宿泊客がどのような人なのか、あらかじめ細かく把握することはできません。そのため、場合によっては夜遅くまで大声で騒ぐなどして、近隣住民とのトラブルに発展することがあるのです。
このデメリットを回避するには、民泊施設のルールブックを作成し、前もって宿泊客に共有することが大切です。「これくらい伝えなくても分かるでしょう」という思い込みはトラブルのもとになりかねないため、ルールブックの作成・共有は省かないようにしましょう。
民泊投資に挑戦!物件を選ぶ際のポイントとは
民泊投資に挑戦する上で物件を選ぶ際は、以下の3つのポイントを確認することが大切です。
駅や観光地の近くにあるか
民泊を利用する方の目的は「観光」であることがほとんどです。そのため、民泊施設として利用する物件は、なるべく駅や観光地の近くにあると良いでしょう。
例えば、近くに駅があると空港から民泊施設までの移動はもちろん、民泊施設から各観光地までの移動も楽に行えます。この点は、宿泊客にとって大きなメリットとなるため、旅行時の宿泊施設として選んでもらいやすくなります。
さまざまな方法で活用できる物件か
民泊投資のための物件を選ぶ際は、さまざまな方法で活用できるかどうかも確認することが大切です。なぜなら、民泊として常に順調な経営ができるとは限らないからです。
まさに今、新型コロナウイルス感染症の影響によって民泊の需要は下がっています。もし民泊施設としてしか活用できない物件を選んでいたら、この状況を乗り越えることは困難でしょう。その点、例えば「テレワーク施設」に転用できる物件を選べば、コロナ禍における人々のニーズを満たすことができ、ひいては収益を獲得しやすくなります。
ひとつの物件をさまざまな方法で活用できれば、投資をより成功させやすくなります。そのため、物件を選ぶ際は汎用性があるかを必ず確認するようにしましょう。
グループで宿泊できる広めの物件か
外国人観光客をターゲットとするのであれば、物件を選ぶ際にグループで宿泊できるほどの広さがあるかどうかも確認することが大切です。もちろん、ひとりで訪れる方もいますが、どちらかというとファミリーや友人同士のグループであることが多い傾向にあります。
そのため、なるべく広めの物件、具体的には一戸建てや分譲マンションを選んだほうが良いといえます。そうすれば、外国人観光客のニーズを満たすことができ、ひいては収益を得やすくなります。
あわせてチェックしよう!民泊投資を成功へと導く方法
最後に、民泊投資を成功へと導く方法を3つご紹介します。ぜひご参考にしてください。
不動産投資・民泊投資について理解を深める
第一に、不動産投資・民泊投資について理解を深めることが大切です。具体的には、今回ご紹介した利回りやメリット・デメリットに加えて、キャッシュフロー(お金の流れ)、物件を購入・売却する流れ、起こり得るリスクなどを押さえておくのが望ましいといえます。
これらを知っているのと知らないのとでは民泊投資の質や成功率が大きく変わってくるため、自ら情報収集をしたり不動産会社をはじめとするプロに相談したりして、知識を身につけておきましょう。
契約前に収支をシミュレーションする
民泊投資を成功させるには、物件を契約する前に収支をシミュレーションすることも大切です。お気に入りの物件が見つかったとしても、いざ民泊施設として営業したときに赤字となってしまっては意味がありません。
そのため、まずは収支をイメージしてみて「この物件で民泊を成立させられるか」「満足できるほどの収益を得られるか」などを確かめる必要があります。そうすれば、民泊投資を成功させられる物件かどうかを判断しやすくなります。
なお、民泊経営の代行業者によっては、収支のシミュレーションを行うサービスを提供していることもあるので、積極的に利用すると良いでしょう。
口コミ・評判を常に意識する
民泊施設の利用を検討している方の多くは、インターネットで希望に合う民泊がないかを探します。このときとくに重視されるのが、過去の宿泊者が残した口コミ・評判です。宿泊者のリアルな感想は民泊の利用を検討している方にとって有益な情報であり、利用するか否かの判断材料となります。
そのため、民泊投資を成功させるには口コミ・評判を常に意識することが大切です。具体的には、「物件をきれいに保つ」「宿泊者に寄り添った対応をする」「ネット上の情報と実物に差がないようにする」といった点を心掛ける必要があります。
まとめ
民泊投資は、新型コロナウイルス感染症が収束傾向にある今、とくに魅力的な投資です。高利回り(収益性が高い)というメリットがあるので、再び大勢の観光客が訪れるようになれば、民泊の需要が再燃し、ひいては安定した不労所得を得やすくなるでしょう。
民泊投資に興味をお持ちの方は、今回ご紹介した基本情報を踏まえた上で、ぜひはじめの一歩を踏み出してみてください。