不動産投資詐欺にご注意!よくある手口とその対策法、注意すべき不動産会社の特徴を解説

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「不動産投資にチャレンジしたいけれど、大金が動くからこそ騙されないか心配」、そう不安を感じている方もいるのではないでしょうか。

残念なことに、不動産投資詐欺が横行している現状を変えることは困難なため、自分を守るためにもよくある詐欺の手口を知り、その内容に合った対策法を把握しておくことが大切です。

そこで今回は、不動産投資詐欺にフォーカスし、よくある手口や注意すべき不動産会社の言動、具体的な対策法について解説します。あわせて、不動産投資詐欺に遭ってしまった場合の相談先もご紹介しているので、万が一に備えてぜひご覧ください。

初心者こそ気をつけて!よくある7つの不動産投資詐欺

不動産投資詐欺に遭わないためには、どのような手口が横行しているのか把握しておくことが大切です。そこで以下にて、よくある7つの不動産投資詐欺をご紹介します。

1.手付金詐欺

手付金詐欺とは、不動産会社に「優良物件だから早めに手付金を払ってキープしておいたほうが良い」と誘導され手付金を支払ったものの、しばらくして不動産会社と連絡が取れなくなり物件が手に入らなくなる、という詐欺です。つまり、手付金を持ち逃げされてしまうのです。

手付金とは、物件の売買契約時に買主から売主に対して支払う代金のことです。契約の証拠金、そして解約や債務不履行時の違約金としての役割があります。

手付金詐欺では上述したケースの他、ひとつの物件で複数の契約を結び、それぞれの投資家に手付金を支払わせた後、そのすべてを持ち逃げする、という悪質なケースも横行しています。

2.入居状況詐欺

入居状況詐欺(別名:満室偽装詐欺)とは、実際には空室が多い物件であるにもかかわらず、あたかも満室であるかのように偽装する詐欺です。協力者に入居してもらい満室にしたり、資料の入居率を高く改ざんしたり、満室と嘘をついたりする手口が横行しています。

入居状況詐欺の物件は、売買価格が相場より高く設定されていることが多いため、もし騙されて購入してしまった場合は痛い出費となる他、実際には空室が多いため採算が取れなくなってしまいます。

3.サブリース詐欺

サブリース詐欺とは、不動産会社の「半永久的に家賃を保証する」という謳い文句に乗りサブリース契約を締結したものの、実際にはそのような保証はなく安い家賃にされてしまう、という詐欺です。

そもそもサブリースとは、投資家と管理会社で賃貸借契約を締結し、契約の上では入居者となる管理会社が投資家に対して家賃を支払うシステムのことです。

本来、サブリースには「保証される家賃の金額が変動する場合がある」という特徴がありますが、サブリース詐欺ではその事実を説明してもらえません。そのため、半永久的に下がらないと思っていた家賃がいつの間にか下がり、想定していた家賃収入を得られなくなってしまうのです。

4.二重譲渡詐欺

二重譲渡詐欺とは、すでに売却が決まっている物件(または売却済みの物件)を別の投資家に販売する詐欺です。このケースでは先に契約を締結したほうが所有権を得るため、後から手付金や代金を支払ったとしても物件を手に入れることはできません。つまり、資金を奪われてしまうのです。

二重譲渡詐欺は、不動産会社や仲介業者が悪意を持って行っていることもあれば、詐欺グループが不動産会社を装って意図的に行っていることもあります。

5.デート商法詐欺

デート商法詐欺(別名:恋人商法詐欺・婚活商法詐欺)とは、マッチングアプリや婚活パーティーで接触しデートを重ね、信頼関係を築いたところで不動産の購入を勧める、恋愛感情に付け込んだ詐欺です。好意を抱いている相手からの勧めなのでなかなか断ることができず、つい購入してしまうケースが頻発しており、購入後に連絡が途絶えることで初めて詐欺に気付きます。

詐欺だと気付いても容易に解約できないため、ローンの支払いに苦しむことになる他、精神的なダメージを負ってしまう可能性があります。

6.海外不動産投資詐欺

海外不動産投資詐欺とは、海外にあり現地へ足を運ぶのが困難であることを逆手に取り、実在しない物件や劣悪な物件の購入を促す詐欺です。売買価格として支払った代金を持ち逃げされたり、劣悪な物件に対して相場より高い売買価格を支払わされたりするケースが横行しています。

また、これから完成予定の物件に対して代金を支払う「プレビルド(Pre build)」による詐欺もあり、「予定期日までに物件が完成しない」「物件が引き渡されない」といったトラブルにつながることがあります。

7.囲い込み

囲い込みとは、「A社は評判が悪いから避けたほうが良い」と他社を批判したり、「この条件でB社と売買契約を結ぶのは難しい」と強引に自社を売り込んだりすることで、自社以外を検討する余地をなくす手口です。他社との比較ができなくなるため、例えば同じような物件に対して他社よりも高い代金を支払わされる可能性があります。

また、囲い込みを行う不動産会社の多くは「自社との契約締結」に重きを置いているため、その後の対応が雑になり、理想的な不動産投資ができなくなることもあるでしょう。

心当たりがあれば疑って!注意すべき不動産会社の言動

悪質な不動産会社は、巧妙な話術とやり口で投資家を騙そうとします。とくに以下でご紹介する言葉・行動は詐欺につながる恐れがあるため、もし心当たりがある場合はその不動産会社の利用は避けることをおすすめします。

注意すべき言葉

不動産投資詐欺につながる恐れがある言葉には、主に以下の5つが挙げられます。

「節税につながります」

不動産投資に節税効果はありますが、必ずしもその恩恵を受けられるわけではありません。

そもそも不動産投資が節税につながる理由は、所得税のうち物件購入が該当する「総合課税」が損益通算(利益から損失を差し引くこと)できるからです。仮に不動産投資が赤字になったとしても、給与をはじめとする別の所得と損益通算すれば赤字と黒字を相殺でき所得が減ります。所得が減ると所得税と住民税が下がるため、結果として節税につながるというわけです。

これは言い換えれば、不動産投資が黒字の場合は損益通算の必要がなく、その分の所得税や住民税を支払う必要があるということです。このように、必ずしも節税につながるわけではないので、不動産会社が「節税につながります」と言い切った場合は詐欺を疑うようにしましょう。

「(高利回りなので)儲かります」

高利回りの物件を選ぶことは、不動産投資を成功させるポイントのひとつです。しかし、高利回りであること=物件の売買価格が下がっていることには、それなりの理由があります。例えば、部屋が極端に狭かったり使いづらい間取りだったりする可能性があるのです。この場合、入居者が限られてしまうため、なかなか満室にならず満足な収益を得られない可能性があります。

このように、高利回りの物件だからといって必ずしも儲かるとは限らないため、もし不動産会社が「(高利回りなので)儲かります」と断言するようなら利用は避けたほうが良いでしょう。

「将来値上がりします」

「将来値上がりします」と、今が買い時であることを匂わす不動産会社にも注意が必要です。

たしかに、土地や物件の資産価値が上がることはあります。しかし、それはあくまでも予想でしかなく確実に約束されているわけではありません。むしろ、土地や物件の資産価値が上がる物件は極めて少ないのが現状です。そのため、売買契約を結ぶ段階で「将来値上がりします」と言い切るようであれば、距離を取ったほうが良いでしょう。

「家賃保証があるから安心です」

サブリース契約(家賃保証契約)を締結した場合、仮に空室になったとしても家賃が保証されますが、その金額は一定ではなく状況に応じて変動します。そのため、家賃保証を考慮してローンの返済計画を立てた場合、突然の減額により返済が行き届かなくなる可能性も考えられます。

つまり、本来なら「家賃保証があるから安心です」と言い切ることはできないのです。
にもかかわらず、「家賃保証があるから安心です」と断言するようであれば、その不動産会社は悪徳業者である可能性が高いといえるでしょう。

「クーリングオフができます」

不動産投資の売買契約ではクーリングオフが可能です。しかし「売主が宅建業者であること」「クーリングオフの説明を聞いてから8日以内であること」などの条件が定められており、すべてのケースにおいて適用できるわけではありません。
そのため、もし説明を「クーリングオフができます」という言葉だけで済ませ、条件まで伝えられなかった場合は、詐欺を疑うようにしましょう。

注意すべき行動

不動産投資詐欺につながる恐れがある行動には、主に以下の3つが挙げられます。

デメリットやリスクを伝えない

不動産投資のデメリットやリスクを一切伝えない不動産会社には注意が必要です。メリットだけを伝えて早急に売買契約を結ぼうと企んでいる可能性があります。

また、物件によっては雨漏りやシロアリ被害などの「物理的瑕疵」、騒音や振動などの「環境的瑕疵」があるケースもありますが、これを説明しない不動産会社も存在します。不動産会社が瑕疵に気付いていない可能性も考えられますが、いずれにせよデメリットやリスクの共有がないことは投資家にとって不利益になるため、その様子が見られたら売買契約を結ばないようにしましょう。

おとり広告・虚偽広告を掲載している

不動産投資詐欺では、販売する意思のない物件で集客を図る「おとり広告」、そして実在しない物件をあたかも販売しているかのように見せる「虚偽広告」が使われることもあります。住所すら記載されていなかったり、売買価格に見合わない物件だったりする場合は、おとり広告または虚偽広告の可能性が高いため、魅力的だと感じても安易に購入しないようにしましょう。

なお、おとり広告・虚偽広告の出稿は、宅地建物取引業法や不当景品類及び不当表示防止法などで禁じられています。

契約を急かす

こちらの気持ちや都合を無視して契約を急かしてくる場合、悪質な不動産業者を疑いましょう。ゆっくり検討する時間や第三者に相談する時間を奪うことで、適切な判断をさせないようにしている可能性があります。また、売買契約を締結するまで長時間拘束されることもあるようです。

このような行動を取る不動産会社は詐欺を働いている可能性があるため、いくら押し売りされても相手にしないようにしましょう。

トラブルを回避しよう!不動産投資詐欺それぞれの対策法

不動産投資詐欺を回避するには、それぞれの手口に合った対策を行う必要があります。

手付金詐欺の対策法

手付金詐欺を回避するには、まず安易に手付金を支払わないことが大切です。不動産会社や物件の情報を細かく確認し、信頼できると確信した上で支払うようにしましょう。
また、手付金は売買契約代金の20%程度であることがほとんどです。もし20%以上の手付金を請求された場合は不動産投資詐欺の可能性が高いため、支払わないことをおすすめします。

なお、もし手付金を持ち逃げされてしまった場合は、手付金の保全を行う保証協会に相談してみましょう。手付金を取り戻せる可能性があります。

入居状況詐欺の対策法

入居状況詐欺を回避するには、不動産の賃貸借条件をまとめた「レントロール」の確認が必須です。もしここ最近のうちに新規契約をしている部屋が多い場合、空室にカーテンを取り付けてあたかも入居者がいるかのように見せる「カーテンスキーム」が行われている可能性があります。

実際に物件を内覧し、駐車場やポストの使用状況から生活感があまり感じられない場合は、売買契約を結ばないようにしましょう。

サブリース詐欺の対策法

サブリース詐欺を回避するには、契約書にしっかり目を通すことが大切です。サブリース契約について理解を深めることで、たとえ不動産会社に事実を隠されたとしても騙されずに済みます。

また、不動産会社にサブリース契約に関する不明点や疑問を前もって確認するのも有効です。もし適切かつ納得できるような答えが返ってこなかった場合は、契約締結を避けましょう。

二重譲渡詐欺の対策法

二重譲渡詐欺を回避するには、あらかじめ登記内容を確認する必要があります。すでに他の投資家によって登記(仮登記)されている場合は二重譲渡詐欺となるため、購入しないようにしましょう。

ただし、登記簿謄本に明記されている所有者(他の投資家)まで詐欺に加担しているケースもあり、その場合は回避するのが困難になることもあります。そのため、前提として信頼できる不動産会社を利用することも重要です。

デート商法詐欺の対策法

デート商法詐欺を回避するには、常に疑いの姿勢でいることが大切です。マッチングアプリや婚活パーティーではすてきなご縁に恵まれることもありますが、反対に詐欺に加担している要注意人物と接点を持ってしまうこともあります。短期間で親密になった相手の本質まで見抜くことは困難なため、しばらくは疑いの姿勢をキープするようにしましょう。

なお、2018年の消費者契約法の改正により、デート商法による不当な契約は後から取り消せるようになりました。とはいえ、騙されないよう最初から注意深く相手と交流することが大切です。

参照:消費者契約法の一部を改正する法律(平成30年法律第54号)の主な内容|消費者庁

海外不動産投資詐欺の対策法

海外不動産投資詐欺を回避するには、売買契約を結ぶ前に現地まで足を運び、物件を直接確認する必要があります。事前に説明された情報に相違がないかを確認することで詐欺による被害を防げます。

また、大手不動産会社および信頼できる不動産会社を利用するのも有効です。実績や評判をチェックし、パートナーとして申し分のない不動産会社を選びましょう。

囲い込みの対策法

囲い込みを回避するには、不動産会社による説明が自分に寄り添った内容かどうかを慎重に見極めることが大切です。自分本位な説明の場合は、売買契約の締結を避けるのが良いでしょう。

また、どれだけ囲い込まれても他社との比較を必ず行うことも重要です。他と比べることで妥当な内容かどうかを判断しやすくなります。

不動産投資詐欺に遭ってしまった……!そのときの相談先とは

もし不動産投資詐欺に遭ってしまった場合は、以下の機関や専門家に相談しましょう。

免許行政庁

免許行政庁は、国土交通省が推奨している相談先です。悪質な営業や自宅への押しかけ、脅迫めいた勧誘などを受けた場合は、不動産会社名・担当者名・被害の内容などを記録し、免許行政庁へ相談しましょう。行政指導や業務停止命令などの処置が下る可能性があります。

参照:国土交通省から消費者の皆さんへのお知らせ・注意喚起(マンションの悪質勧誘・訪問、アンケート調査等)|国土交通省

国民生活センター(消費生活センター)

国民生活センター(消費生活センター)は、比較的身近な相談先です。消費生活全般に関する苦情や問い合わせを受け付けているため、不動産投資詐欺に関する相談もしやすいでしょう。
消費者ホットライン「188」に電話をすることで、近くの消費生活相談窓口を案内してもらえます。

宅地建物取引業保証協会

宅地建物取引業保証協会は、宅地建物取引業を営む不動産会社が所属する団体です。所属している不動産会社が関わる取引に関する相談に応じており、仮に解決できなかった場合は取引によって生じた債権を上限額まで弁済してくれるため、安心してお問い合わせできるでしょう。

弁護士

弁護士も、不動産投資詐欺に遭った際の相談先として有効です。とくに法的なトラブルが生じた際は、心強い存在となってくれるでしょう。

まとめ

不動産投資詐欺を回避するには、複数ある手口を理解し、それぞれに合った対策法を把握しておくことが大切です。また、信頼できる不動産会社を探し利用することも重要なポイントといえます。
「不動産投資詐欺に遭わない」という保証はどこにもないため、万が一に備えて今回ご紹介した注意すべき言動や対策法を押さえておきましょう。

なお、不動産投資について分からないことがあれば、ぜひ穴吹興産株式会社にご相談ください

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