ローンを組んで不動産投資に挑戦!「不動産投資ローン」の種類からメリット・デメリットまでご紹介
不動産投資を始めるにあたって、「不動産投資ローン」の利用を検討中の方もいるでしょう。
そこで今回は、不動産投資ローンに焦点を当て、住宅ローンとの違いや種類、メリット・デメリットなどについてご紹介します。あわせて、不動産投資ローンを組む際の手順・ポイントも解説しているので、ぜひご参考にしてください。
目次
まずは概要を押さえよう!不動産投資ローンとは
不動産投資ローンとは、不動産投資を行う上で金融機関から受けられる融資のことです。投資用の物件を建築または購入する際に利用するケースが多く、人によっては既存のローンの借り換えで利用することもあります。ローンの返済には「投資用の物件の家賃収入」を充てるのが一般的なため、審査では主に物件の収益性や資産性をチェックされます。
住宅ローンとの違い
不動産投資ローンと類似する融資に「住宅ローン」がありますが、これら2つは全くの別物です。
不動産投資ローンは上述のとおり、不動産投資を行う上で金融機関から受けられる融資のことです。これに対し住宅ローンは、自宅を建築・購入する際に受ける融資を指します。
つまり、不動産投資ローンは「投資(賃貸物件の経営)をすること」を目的としている一方で、住宅ローンは「自らが居住する物件にかける費用を補填すること」を目的としているのです。この点は、これら2つのローンの大きな違いといえるでしょう。
さらに、不動産投資ローンと住宅ローンでは、借入金の返済に充てる資金も大きく異なります。繰り返しになりますが、不動産投資ローンでは「投資用の物件の家賃収入」を返済に充てるのが一般的です。これに対し、住宅ローンでは主に「毎月の給与収入」を返済に充てます。
そのため、ローンの審査にも違いがあり、不動産投資ローンでは申込者の返済能力の他、投資用の物件の収益性も確認されますが、住宅ローンでは基本的に申込者の返済能力のみで判断されます。
不動産投資ローンと住宅ローンには、この他にもさまざまな相違点があります。詳しくは以下の表にまとめていますので、ぜひご確認ください。
項目 |
不動産投資ローン |
住宅ローン |
融資金額の目安 |
申込者の年収の7~10倍程度 |
申込者の年収の5~6倍程度 |
金利の目安 |
年利 1.5~4.5%程度 |
年利 0.5~2.0%程度 |
法人名義での契約 |
可能 |
不可能 |
年齢制限 |
条件によっては70歳以上も◎ |
一般的に上限は75~80歳 (※金融機関によって異なる) |
主に2つある!不動産投資ローンの種類
不動産投資ローンは、大きく「アパートローン」と「プロパーローン」の2つに分けられます。それぞれで特徴は異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。
アパートローン
アパートローンとは、個人の不動産投資家向けに金利や融資金額、融資期間などの条件がパッケージ化されているローンのことです。パッケージの内容は金融機関によって異なるものの、その内容に応じた審査に通ることができれば一定額まで融資を受けられます。
アパートローンのメリットは「比較的低金利で融資を受けられること」です。アパートローンの用途は不動産投資に限定されています。そのため、金融機関は負う可能性があるリスクを事前に把握でき、さらには対策を講じることも可能です。これにより、低金利を実現できているというわけです。
この他「審査が早い」というメリットもあります。上述のとおり、アパートローンでは融資の条件がすでに決まっているため、その内容にマッチするかどうかを確認するだけで審査が終了します。
一方で、アパートローンには「融資金額に上限がある」というデメリットがあります。パッケージ化している以上、融資金額の融通は効かないため、その点には留意しましょう。
プロパーローン
プロパーローンとは、相談内容をもとに金融機関が独自に作り上げるローンのことです。申込者の属性や資産、事業の実績、ローンの用途などに応じて融資条件を設定します。そのため、アパートローンに比べて審査期間が長くなりやすいといえます。
プロパーローンには「融資金額に上限がない」というメリットがあります。金融機関が独自に審査して融資を行うことから、プロパーローンはいわば「オーダーメイドローン」です。そのため、もし金融機関に事業の収益性が高いと判断されれば、好条件でローンを組める可能性があります。
この他、メリットには「初期費用を安く抑えやすい」という点も挙げられます。プロパーローンの場合、保証会社を介すことなく金融機関から融資を受けられるため、保証会社に手数料を支払う必要がありません。これにより、ローンを組む際にかかる初期費用をグッと抑えられます。
一方で、プロパーローンには「審査が厳しい」というデメリットがあります。保証会社を介さないからこそ、金融機関はリスクを負わないために厳しく審査を行う傾向があるのです。
「返済状況が良好」「過去に長期の融資を受けた実績がある」など、金融機関に融資したいと思わせられるような要素がなければ審査を通るのは困難なので、その点は理解しておきましょう。
それぞれに特徴がある!不動産投資ローンを扱う金融機関
不動産投資ローンを扱う金融機関には、主に以下の5つがあります。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫とは、民間の金融機関が行う融資の補完、そして国民の生活向上を目的とした、日本政府が管理する金融機関です。申込者の属性(職業や年収など)に関する審査は比較的緩めですが、融資期間が10〜15年程度と短い上に、融資金額の上限も少なめになっています。また、金利は条件に応じて個別に設定されますが、1〜2%程度であることがほとんどです。
都市銀行
都市銀行とは、大都市に本店を構えて全国展開している銀行のことです。基本的に資産家や優良企業をローンの対象としているため、融資条件(審査)は厳しめになっています。ただし、その分低金利なので、ローンを組んだ際の返済金額を最小限に抑えられるでしょう。
なお、都市銀行の中には不動産投資ローンの取り扱いに消極的なところもあります。アパートローンを用意していないケースもあるので、あらかじめ確認するようにしましょう。
地方銀行
地方銀行とは、特定の地域に根付いた銀行のことです。具体的には、名前に地方や都道府県などの地名が含まれている銀行を指します。都市銀行に比べると金利は高くなる傾向にありますが、融資条件(審査)は緩めであることが多いため、不動産投資初心者の方も利用しやすいといえます。ただし、返済計画はしっかり立てることが欠かせません。
地方銀行によっては不動産投資ローンを組むにあたって、「本店所在地の都道府県に投資用の物件があり、かつ申込者が居住していること」という条件を設けていることがあります。この場合、投資・居住するエリアが限定される可能性があるため、あらかじめ理解しておきましょう。
信用金庫・信用組合
信用金庫・信用組合とは、簡単にいうと非営利団体のことです。地方銀行以上に地域密着型なので、不動産投資ローンを組む上で「本店所在地の都道府県に投資用の物件があり、かつ申込者が居住していること」という条件のクリアは必須です。ただし、金利が比較的高い分、地方銀行よりも柔軟に審査を行ってくれるケースが多いといえます。
ノンバンク
ノンバンクとは、系列の銀行などから資金を借り入れて貸付を行う金融機関のことです。上述した4つの金融機関に比べて審査が柔軟で、属性があまり良くない申込者も融資を受けやすいといわれています。そのため、不動産投資初心者の方も利用しやすいでしょう。
ただし、審査が柔軟だからこそ、他の金融機関なら審査を通さないような物件(例:収益性が低い)に対しても融資を受けられることがあります。この場合、申込者にとっては「採算が合わない」などのリスクにつながる可能性があるため、ローンを組む際は注意が必要です。
金融機関によって異なる!不動産投資ローンの金利の種類
不動産投資ローンの金利は、主に「変動金利」と「固定金利」の2つに分けられます。固定金利に関してはさらに細分化でき、それぞれでメリット・デメリットは異なります。
変動金利
変動金利とはその名のとおり、市場に応じて変動する金利のことです。次にご紹介する固定金利に比べると低めの金利設定なことが多いため、ローンの返済金額を最小限に抑えやすいといえます。
ただし、変動するからこそ、不動産投資ローンを契約した時点では返済総額が確定していないという一面もあります。そのため、変動金利の不動産投資ローンを組む場合は、万が一に備えて余分に返済準備をしておくと良いでしょう。
固定金利
固定金利とは、ローンを完済するまで変動しない金利のことです。その種類には、主に「選択型固定金利」と「全期間固定金利」の2つがあります。
選択型固定金利
選択型固定金利とは、借入開始から一定期間、固定金利を据え置いた後、種類を再選択できる金利のことです。つまり、最初は固定金利だったとしても、一定期間後に変動金利へ変更できるのです。市場をもとに方針を切り替えられるのは、選択型固定金利ならではのメリットといえるでしょう。
ただし、場合によっては固定金利が終了する一定期間後に、金利が高くなる可能性もあります。もしこのとき変動金利に変更したら返済金額がグッと上がるので、その点には注意が必要です。
全期間固定金利
全期間固定金利とは、完済まで一切変動しない金利のことです。不動産投資ローンを契約した時点で返済総額が決まるため、キャッシュフローを予測しやすく、適切な返済計画を立てられます。
ただし、一切金利が変わらない分、変動金利よりも高く設定されているケースがほとんどです。それに伴い返済総額も高くなる傾向があるため、不動産投資における支出が多くなりやすいでしょう。
【+α】金利を使った不動産投資ローンのシミュレーション
不動産投資ローンを組む際は、前もって月々の返済額や利息をシミュレーションするのがおすすめです。以下で、一例をご紹介するのでぜひご参考にしてください。
不動産投資ローンについて |
金融機関:地方銀行 金利:2% 融資期間:30年 融資金額:3,000万円(2,000万円は自己資金で支払い) |
上述したケースで金利と元本を均等に返済していく場合、毎月のローン返済額は「11万885円」です。これを年間の返済額に換算すると「133万620円」になることから、30年の合計返済額は「3,991万8,600円」となります。つまり、利息は「991万8,600円」になるのです。
なお、不動産投資そのもののシミュレーションについては、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
不動産投資を成功させるにはシミュレーションが必須!必要な情報と具体的な方法を知ろう
押さえておこう!不動産投資ローンを組む5つのメリット
不動産投資ローンを組むことには、以下の5つのメリットがあります。
1.少ない資金で大きな利益を得られる
不動産投資を行うためには多額の資金が必要不可欠です。しかし、不動産投資ローンを組めば金融機関から融資を受けられるため、多額の資金を用意する必要がありません。つまり、すぐに用意できる少額の資金で不動産投資を始められるのです。
具体的には、1,000万円の投資で10万円の利益を得るのではなく、100万円の初期費用でローンを組んだのち1,000万円の物件を購入し、10万円の利益を得るという仕組みです。
少ない資金で大きな利益を得られる可能性がある点は、不動産投資初心者の方にとって大きなメリットになるといえるでしょう。
2.自己資金に余力を残せる
不動産投資が軌道に乗り続けるとは限らず、場合によっては予期せぬトラブルに直面することもあります。このとき重要になるのが、手元にどれほどの資金が残っているかどうかです。
例えば、投資用の物件を修繕しなければならなくなったとき、もし資金が少ないとそもそも修繕することができません。また、空室が発生した場合には家賃収入を得られなくなるため、自己資金を切り崩して生計を立てる必要がありますが、資金が少ないとそれも不可能となります。つまり、不動産投資を成功させることが困難になるのです。
その点、不動産投資ローンを組めば少額の資金で不動産投資を始められるので、自己資金をある程度残すことができ、ひいては上述したような不測の事態にも対応できるようになります。
3.団体信用生命保険に加入できる
多くの金融機関では、不動産投資ローンを組む際の条件として「団体信用生命保険への加入」を設けています。団体信用生命保険とは、ローンの契約期間中に契約者に万が一のことが起こった場合、契約者の代わりに保険金でローンの残債を返済してくれる生命保険のことです。
不動産投資の醍醐味のひとつに「資産を家族に遺せる」という点があります。団体信用生命保険に加入すれば家族に“負債なく”投資用の物件を遺すことができるため、家族の負担を軽減しつつ資産を引き渡すことができます。もちろん、家族が物件を貸し続ければ家賃収入を継続的に得られるので、当面の生活費をまかなう効果も期待できるでしょう。
4.家賃収入でローンを返済できる
不動産投資ローンを組むことに対し、「完済できるか不安」とネガティブなイメージをお持ちの方もいるかもしれません。たしかに、ローンを組むにあたって完済の見込みを立てることは大切ですが、不動産投資においては家賃収入を得られるため、それを返済に充てればよほどの理由がない限り問題なく完済できます。
ただし、空室や家賃滞納、災害などのトラブルに見舞われる可能性はもちろんゼロではないため、家賃収入が減る可能性を考慮して、自己資金を貯めておくことが大切です。そうすれば、より余裕を持ってローンを返済できるでしょう。
5.効率よく不動産投資を行える
不動産投資で十分な利益を得るためには、規模を拡大することが欠かせません。しかし、早々に2つ目の不動産投資に取り掛かれる方は少なく、その理由には「安定を求める人が多い」という点が挙げられます。具体的には、例えば「今の物件で満足に収益を得られたら、新たに投資用の物件を買おう」と考える方が多い傾向にあるのです。
不動産投資ローンを組めば、上述のとおり少額の資金で不動産投資を始められるので、2つ目の物件を購入しやすくなります。また、その物件が不動産投資に向いていれば順調に家賃収入を得られるため、ローンの返済に困る心配もありません。つまり、ローンを利用すればさらに効率よく不動産投資を行えるのです。もちろん、計画的に運用することが大前提ですが、不動産投資を成功へと導く上でこの点は大きなメリットになるといえます。
漏れなく確認すべし!不動産投資ローンを組む3つのデメリット
不動産投資ローンを組むことにはメリットがある一方で、デメリットもあります。
1.利息により返済金額が増える
上述したシミュレーションでも解説したように、不動産投資ローンには当然「利息」があります。
利息は金利によって決まりますが、金融機関によって変動金利か固定金利か、またその割合も変わってきます。とはいえ、利息によってローンの返済額が増えることに変わりはありません。そのため、前もって収支のシミュレーションを行い、返済額を把握した上でローンを組むことが大切です。
2.物件に抵当権が適用される
抵当権とは、金融機関がローンでお金を貸し出すときに、契約者がそのお金で購入する不動産を「金融機関が担保としておく権利」のことです。契約者によるローンの返済が滞り、融資した資金を返済してもらえない場合、金融機関は担保にしている投資用の物件を差し押さえたり競売にかけたりできます。つまり、不動産投資ローンを組むことには、万が一のときに不動産投資を続けられなくなる(失敗に終わってしまう)というデメリットがあるのです。
ただし、問題なくローンを完済した場合には法務局で抵当権抹消登記の手続きを行うことで、投資用の物件から抵当権を外すことができます。
3.空室の場合は自己資金での返済が必要になる
繰り返しになりますが、不動産投資が軌道に乗り続けるとは限らず、場合によっては空室になる可能性もあります。こうなると家賃収入は得られなくなるので、自己資金を切り崩してローンを返済しなければならず、この点はデメリットといえるでしょう。
とはいえ、上述のとおり、不動産投資ローンを組めば少額の資金で不動産投資を始められるので、自己資金にある程度余裕を持たせることができます。
ただし、だからといって貯蓄を疎かにすると徐々に自己資金が減り、不測の事態が起きたときに対応できなくなる可能性があります。そのため、万が一に備えて貯蓄しておくことが大切です。
一般的な流れを知っておこう!不動産投資ローンを組む際の手順
では、不動産投資ローンを組む際はどのような手順を踏めば良いのでしょうか。
1.仮審査(事前審査)を受ける
まず、不動産投資ローンの仮審査を受けます。ここでは、金融機関によって「融資を実行できるか」を調査されたのち、融資の可否や融資額、金利などが決められます。
なお、一般的に不動産売買の契約はローンの仮審査に通ってから締結します。つまり、仮審査を先に受けておかなければ物件購入の正式な手続きには進めないということです。十分に注意しましょう。
2.物件購入の申し込み・売買契約の締結を行う
無事に不動産投資ローンの仮審査を通過できたら、物件購入を申し込んだのち、売買契約を締結します。このとき、万が一仮審査をクリアできなかった場合に契約を解除できる「ローン特約」が契約に盛り込まれているか確認しておくと安心です。
3.本審査を受ける
続いて、不動産投資ローンの本審査を受けます。契約者の属性および物件の価値が主な審査基準となり、総合評価で融資の可否を最終決定します。結果が出るまでの期間は金融機関によって異なりますが仮審査より長い傾向があり、1週間〜1か月程度が相場です。
4.金銭消費貸借契約を締結する
本審査を通過したら、金融機関と金銭消費貸借契約を締結します。これは簡単にいうと「お金を借りたら、その金額と同額(利息がある場合は利息も含む)を返す」という契約のことです。金利や返済計画などの詳細は契約書に記載されているので、必ず確認しておきましょう。
5.物件の引き渡し日に融資が実行される
金銭消費貸借契約を締結した後、物件の引き渡し日がきたら、その日に融資が実行されます。これで正式に不動産投資ローンを組んだことになります。
ただし、もちろんローンを組めたからといって終わりではありません。この後は借り入れたお金を返済していく必要があります。万が一返済が滞ると不動産投資が失敗に終わることもあるので、あらかじめ返済計画を立てておきましょう。
知っておくと役立つ!不動産投資ローンを組む際のポイント
不動産投資ローンを組む際は、以下でご紹介するポイントを押さえておくことも大切です。
ローンに関する基礎知識を身につける
前提として、ローンに関する知識がなければ、不動産投資ローンを適切に利用することはできません。そのため、まずはローンの基礎知識を習得することが大切です。
書籍を読んで自ら学習したり、セミナーに参加したり、ローンの利用経験がある友人に話を聞いたりして、理解を深めましょう。
不動産投資ローンの審査基準について知る
不動産投資ローンの審査基準について知ることも、重要なポイントです。あらかじめ理解しておくことで、審査に通りやすいかどうかをある程度予測できます。
1.申込者の属性・信用情報
申込者の属性とは、年齢や職業(勤務先の情報)、雇用形態、年収などのことです。この中でもとくに重視されるのは雇用形態といわれており、金融機関が「今後も安定して収入を得られる申込者か」を測る上で重要なものさしとなります。そのため、アルバイトやパートよりも契約社員、契約社員よりも正社員のほうが審査に通りやすいでしょう。
信用情報とは、クレジットカードやローンの契約に関する情報、いわゆる「客観的な取引事実」のことです。例えば、他社からの借り入れが多い方の場合、金融機関に「すでに資金繰りに困っているのでは?」と思われる可能性があり、そうなれば不動産投資ローンを組むのが困難になります。そのため、他社からの借り入れ件数は少ないほうが有利といえるでしょう。
2.物件の担保価値
不動産投資ローンは「収益物件の購入」を前提としたローンです。そのため、申込者が購入した物件の価値がどの程度なのかも、審査で細かく調査されます。基本的に、公示地価や路線価、固定資産税評価額の総合評価が高かったり新築物件だったりすると、担保価値は高いと判断されます。
3.資産価値
上述のとおり、契約者によるローンの返済が滞り、融資した資金を返済してもらえない場合、金融機関は担保にしている物件を差し押さえたり競売にかけたりできます。そのため、金融機関としては「担保としている物件の資産価値」が融資の可否を決める上で重要なポイントになるのです。
基本的に、交通アクセスが良い立地にある物件や周囲に商業施設や病院がある物件、災害のリスクが低い立地にある物件は、資産価値が高いと判断されやすい傾向にあります。そのため、このような物件を購入すれば不動産投資ローンをより組みやすくなるでしょう。
4.経営者としての信頼性
金融機関は、審査で「経営者として信頼できるかどうか」も細かく確認します。そのため、どれだけ属性がよくても、金融機関の担当者に対して高圧的な態度を取ったり非協力的であったりすると、融資を受けられない可能性があります。融資を受けて不動産投資を始めるためにも、金融機関に寄り添い、誠意を持って返済していく姿勢を表すようにしましょう。
先を見据えた収支計画を立てる
最初は順調に家賃収入を得られていたとしても、年月の経過とともに空室が出て満足に収入を得られなかったり、物件の修繕が必要になったりすることがあります。
こうした不測の事態に備えるためにも、不動産投資ローンを組む際は前もって先を見据えた収支計画を立てることが大切です。そうすれば、のちに返済に困るリスクを低減でき、安定的な運用を実現しやすくなります。
まとめ
不動産投資ローンに対して「借金を作ることになる」とネガティブなイメージをお持ちの方もいるでしょう。しかし、十分な資金がないことには不動産投資を始めることはできません。
不動産投資ローンを組むことには、「少ない資金で大きな利益を得られる」「自己資金に余力を残せる」「効率よく不動産投資を行える」などのメリットがあります。もちろん、デメリットもありますが、工夫次第で回避できたり状況によっては影響を受けずに済んだりします。
そのため、これから不動産投資に挑戦する方は、ぜひ不動産投資ローンの活用をご検討ください。
もし分からないことがあれば、お気軽に穴吹興産株式会社にご相談ください。