沖縄で行う不動産投資の利回りは高い?低い?疑問を解消して始めるか否か判断しよう
沖縄の不動産投資における利回り事情が気になり、なかなか始められないでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、沖縄を舞台にした不動産投資にフォーカスし、地域ならではの特徴や利回り、高利回りな不動産の種類について解説します。あわせて、不動産投資の利回りに関する注意点もご紹介しているので、ぜひご一読ください。
目次
沖縄で不動産投資に挑戦!まずは押さえたい地域の特徴
沖縄で不動産投資に挑戦する際は、まず沖縄という地域について理解を深めることが大切です。土地の価格や観光需要などを知ることで、不動産投資の計画を立てやすくなります。
なお、沖縄の特徴や、沖縄で不動産投資をするメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しくご紹介しています。こちらもぜひあわせてご覧ください。
不動産投資の選択肢が多い
沖縄を舞台にした不動産投資の選択肢は、他の都道府県に比べて豊富といわれています。そのため、不動産投資の目的に応じた柔軟な選択が可能です。
具体的には、賃貸経営をはじめ、コンドミニアム経営やリゾートマンション経営、民泊経営、駐車場経営、トランクルーム経営、軍用地投資などがあります。
中でも、米軍基地や自衛隊基地として使われている土地を購入して国に貸し出す「軍用地投資」は、おすすめの選択肢といえます。なぜなら、誰でも購入できる上に、空室・家賃滞納などのリスクなく投資を行えるからです。また、ストレスなく安定的に収益を得られる、ランニングコストを最小限に抑えられるといったメリットも期待できます。
沖縄で不動産投資をするにあたって何に投資しようか迷ったときは、ぜひ軍用地にも目を向けてみてください。
なお、軍用地投資に関しては以下の記事でより詳しく解説しています。ぜひこちらもご覧ください。
他の都道府県より借家率が高い
沖縄は、他の都道府県より借家率が高い地域です。現に、沖縄県が発表している「住宅の所有関係の推移」によると、居住世帯のある住宅における借家の割合は、例年40%超えとなっています。全国平均を上回っていることからも、借家率が高いことが分かります。
時期 | 平成10年 | 平成15年 | 平成20年 | 平成25年 | 平成30年 |
全国 借家割合 | 38.1% | 36.6% | 35.8% | 35.5% | 35.6% |
沖縄 借家割合 | 43.5% | 46.5% | 48.7% | 49.8% | 49.5% |
「年代別住宅の所有関係」における沖縄の借家の割合は、以下のようになっています
年代 | 29歳以下 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50歳以上 |
沖縄 借家割合 | 90.8% | 81.5% | 66.3% | 35.3% |
年齢が若いほど借家の割合が高い傾向があるため、沖縄で不動産投資(賃貸経営)を行うのであれば、39歳以下の地元民をターゲットに計画を立てると良いでしょう。
土地の価値が高い
国土交通省が発表している「都道府県地価調査」「地価公示」によると、沖縄を含む主要都市における直近の住宅地価格の変動率は、以下のようになっています。
都道府県 | 北海道 | 東京都 | 大阪府 | 福岡県 | 沖縄県 |
令和2年 | △ 0.5% | 0.2% | △ 0.3% | 0.8% | 4.0% |
令和3年 | 0.3% | 0.2% | △ 0.2% | 1.5% | 1.6% |
令和4年 | 4.6% | 1.0% | 0.1% | 3.2% | 2.0% |
※ △印はマイナス
このうち、全ての年代で地価がプラスとなっているのは東京都と福岡県、沖縄県の3つです。中でも沖縄県は比較的高い水準であることから、他の都道府県に比べて地価が高いと判断できます。
地価が高い地域で不動産売却を行った場合、所有している物件を売却したときに満足な利益を得やすくなります。そのため、沖縄は不動産投資に適した地域といえるでしょう。
参照:令和2年都道府県地価調査|国土交通省
令和3年都道府県地価調査|国土交通省
令和4年地価公示|国土交通省
観光需要が見込める
令和2年から全国で新型コロナウイルス感染症(以下 コロナ)が拡大したことで、沖縄の観光需要は一時大幅に低下しました。実際に、沖縄県が発表した「令和3年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況」によると、観光需要が最も高まる8月の観光客数は、令和元年が102万1,200人であるのに対し、令和2年は20万2,800人となっています。なんと、前年の約5分の1にまで減少したのです。
しかし、令和3年は28万8,200人とその数が増えていることから、回復の兆しが見えているのも事実です。そのため、このままコロナが収束すれば沖縄は再び大勢の観光客で賑わうと予測できます。そのときは、不動産投資で大きな利益を得られるかもしれません。
参照:令和3年(暦年)沖縄県入域観光客統計概況|文化観光スポーツ部 観光政策課
気になる疑問!沖縄で不動産投資を行った場合の利回りは?
では、沖縄で不動産投資を行った場合の利回りはどれくらいなのでしょうか。利回りの概要とともに解説します。
そもそも利回りとは?
利回りとは、投資した金額に対して得られる利益の割合です。不動産投資においては「物件の購入費に対して得られる家賃収入の割合」を指します。
利回りには「表面利回り」「実質利回り」などの種類があり、それぞれで意味や特徴が異なるため、前もって理解しておくことが大切です。
表面利回り
表面利回りとは、投資した金額に対して「1年間で得られる利益の割合」のことです。不動産広告や不動産会社のサイトに記載されている利回りの多くは、表面利回りに該当します。なお、表面利回りは「グロス利回り」と呼ばれることもあるので、あわせて覚えておくと安心です。
表面利回りの最大の特徴は、経費を引く前の家賃収入を利益と考えることです。不動産投資の利益は、厳密には家賃収入から経費を差し引いた分となりますが、表面利回りに関してはそうではありません。間違えて認識していると不動産投資が失敗しかねないため、正しく理解しておきましょう。
実質利回り
実質利回りとは、投資した金額に対して「1年間で得られる利益(物件の所有・運用にまつわる諸経費と税金を差し引いた利益)の割合」のことです。実質利回りという名称が定着していますが、「ネット利回り」「NOI利回り」と呼ばれることもあります。
表面利回りでは経費を引く前の家賃収入を利益と考えていましたが、実質利回りはその逆で、経費と税金を差し引いた後の家賃収入を利益とします。そのため、実質利回りの数値を見れば最も現実的な利益の目安を把握することが可能です。
その他の利回り
その他の利回りには「想定利回り」や「現行利回り」「借入金返済利回り」「自己資金投資利回り」などがあります。それぞれの意味や特徴は以下のとおりです。
想定利回り | 投資した金額に対して、1年間で得られる満室を想定した利益の割合。空室がひとつでもある場合は、実際に得られる利益と異なる。 |
現行利回り | 現在の入居状況における利回り。現状をもとにしているため、よりリアルな利益の目安を把握することができる。 |
借入金返済利回り | 物件の所有・運用にまつわる諸経費と税金の他、ローンの返済額も考慮した利回り。ローンを組む場合はあらかじめ知っておくと安心。 |
自己資金投資利回り | 自己資金に対して得られる利益の割合。自らの不動産投資の効率性を把握することができる。 |
沖縄は他の都道府県に比べて利回りが低い
結論からいうと、沖縄で不動産投資を行った場合の利回りは、他の都道府県に比べて低めです。実際、沖縄には表面利回りが6%以下の物件が多い傾向にあり、高利回りの物件はなかなかありません。とくに沖縄の中心地である那覇市は、物件価格の高騰から利回りが低くなっているといわれています。そのため、沖縄で不動産投資を行う際は利回りだけでなく、入居率など他の要素も確認して計画を立てることが大切です。
それでも、もし「高利回りの物件を購入して不動産投資をしたい」というのであれば、沖縄以外の場所を検討するのが良いでしょう。
沖縄の不動産投資における利回りが低い理由
では、なぜ沖縄の不動産投資における利回りは、他の都道府県に比べて低いのでしょうか。その理由には「家賃が比較的低い」「建築単価が比較的高い」の2つが挙げられます。
家賃が比較的低い
沖縄は県民所得が低い地域なので、賃貸物件の家賃も低く設定されていることがほとんどです。
上述のとおり、不動産投資の利回りは「投資した金額に対して得られる利益の割合」です。例えば、3,000万円の物件に投資して1年間に300万円の家賃収入を得た場合、表面利回りは10%(300÷3,000×100=10)となります。しかし、同じ購入価格の物件でも沖縄の場合は家賃が低いため、当然1年間の家賃収入も下がってしまいます。仮に家賃収入が200万円だった場合、利回りは6%となります(200÷3,000×100=6.6666……)。
こうした仕組みにより、沖縄の不動産投資における利回りは比較的低くなっているのです。
建築単価が比較的高い
沖縄は台風がよく接近・上陸する地域である上に、高温多湿でシロアリ被害を受けやすい環境でもあります。そのため、沖縄の物件の多くは台風・シロアリ被害に強い「鉄筋コンクリート造」です。
鉄筋コンクリート造の物件の建築単価は比較的高いため、物件の購入価格も必然的に高くなります。
先ほど挙げた例のとおり、3,000万円の物件に投資して1年間に300万円の家賃収入を得た場合、表面利回りは10%となります。しかし、同じ家賃収入でも物件の購入価格が例えば4,000万円だった場合は、表面利回りが7.5%になるのです(300÷4,000×100=7.5)。
こうした仕組みにより、沖縄の不動産投資における利回りは比較的低くなっています。
全てが低利回りではない!沖縄における高利回りな不動産とは
沖縄の物件の利回りは全体的に低めですが、全ての物件が低いとは限りません。中には、高利回りな物件もあるので、以下でご紹介します。
中古物件
沖縄での不動産投資において少しでも高い利回りを実現したい場合は、中古物件を選ぶのがおすすめです。同じ鉄筋コンクリート造でも、新築物件に比べて低い価格で販売されている可能性が高いため、高利回りが期待できます。また、リフォーム・リノベーションを行って付加価値を高めれば、それを理由に利回りが高くなることもあるため、工夫次第では十分な収益を見込めるでしょう。
ただし、中古物件によっては訳ありのため低価格で販売されていることもあります。具体的には、「多くの住居人が退去を決めている」「ランニングコストがかかる設備が多い」といった事情です。
工夫して高利回りを実現できても赤字が続くようなら、それは成功とはいえません。不動産投資を失敗させないためにも、安定的に収益を得られるかを必ずシミュレーションするようにしましょう。
なお、不動産投資のシミュレーションについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひこちらもご覧ください。
コンドミニアム
沖縄は、国内有数の観光地です。コロナの感染拡大により一時は観光需要が低迷しましたが、令和4年11月現在は観光客数が増加傾向にあります。
コンドミニアムは観光客に需要がある物件なので、このままコロナが収束して以前の活気を取り戻すことができれば、高利回りを実現できる可能性があります。そのため、先を見据えて今のうちにコンドミニアムを購入するのも、ひとつの選択肢といえるでしょう。
あわせてチェックしよう!不動産投資の利回りに関する注意点
最後に、不動産投資の利回りに関する注意点をご紹介します。不動産投資を成功させるためにも、ぜひ押さえておきましょう。
必ずしも高利回りが良いとは限らない
不動産投資に対して「利回りは高いほど良い」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、一概にそうとは言い切れません。
例えば、近くに駅や商業施設がない物件は「賃貸物件としてのニーズが低く空室になりやすい」という理由で高利回りになっている可能性があります。そのため、実際に購入して不動産投資を始めようにも入居者を確保できず、空室状態が続くことも珍しくありません。つまり、物件によっては必ずしも高利回りが良いとは限らないのです。
沖縄の物件は比較的低利回りですが、人気のエリアにある物件やメンテナンスが行き届いている物件を購入すれば、不動産投資を順調に進められる可能性があります。そのため、利回りだけを見て物件を購入するのは避けるようにしましょう。
経費が発生することを忘れない
繰り返しになりますが、不動産広告や不動産会社のサイトに記載されている利回りは、「経費を引く前の家賃収入=利益」と考える表面利回りであることがほとんどです。しかし、実際に不動産投資を行う際には以下のような経費・税金が発生します。
物件購入時 | 不動産取得税、登記費用、融資事務手数料、印紙代、仲介手数料、司法書士への報酬、火災・地震保険料 など |
物件運用時 | 固定資産税、管理費、広告費、修繕費、リフォーム・リノベーション費、管理委託手数料、ローン返済費 など |
もし、表面利回りを「手元に残る利益の割合」と思い込み、かつ経費・税金を考慮しなかった場合、実際に得られる収益が予想を下回ってしまいます。これでは、キャッシュフローを安定的に維持するのが難しくなる他、不動産投資を成功させることができなくなってしまいます。
そのため、物件の利回りを把握する際は、表面利回りと実質利回りのどちらなのかを必ず確認することが大切です。
当初の利回りをキープするのは難しい
現物資産に該当するアパートやマンション、一戸建てなどの物件は、築年数が長くなるほど劣化します。そして、劣化が進めば進むほど賃貸物件としての需要が下がっていきます。
劣化した物件で不動産投資を行う場合は、家賃を下げたり修繕したりする必要が出てきますが、そうなると収益を投資した金額が上回ってしまいます。つまり、利回りが低くなってしまうのです。
「利回りはずっと変わらない」と誤解したまま不動産投資を行うと、上述したような理由で利回りが下がったときに混乱し、不動産投資が失敗に終わってしまう可能性があります。
そのため、不動産投資は「当初の利回りから下がることもある」という点を理解した上で始めることが大切です。
まとめ
沖縄で不動産投資を行った場合の利回りは、他の都道府県に比べて低いといわれています。ただし、人気のエリアにある物件やメンテナンスが行き届いている物件を購入すれば、不動産投資を順調に進められる可能性があります。そのため、利回りだけでなく人口や人気度、入居率など他の要素も確認して不動産投資の計画を立てるようにしましょう。
利回りは不動産投資をする上で理解しておくべき要素ですが、専門度が高いため不明点が出てくることもあるかもしれません。その際は、お気軽に穴吹興産株式会社にご相談ください。